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【医師が解説】後悔しない!失敗しない!老人ホーム選びのポイント 5選

お医者さんの雑談

こんな方にオススメの記事です!

  • 老人ホーム入居をすでに決断している
  • 入居する老人ホーム選びに困っている
  • 老人ホームを選ぶ際のポイントを教えて欲しい
  • 専門家、特に医師の視点からのアドバイスが欲しい

皆さん今日もお疲れ様です。現役内科医・訪問診療医のさとっこ先生です。現在も多くの老人ホームの訪問診療を担当しております。

突然ですが、こんな悩みはありませんか?

同居の母の介護が大変
今まで頑張ってきたけど、そろそろ限界だわ
老人ホームはどうかしら?

そうだね
今までみんなよく頑張ったよ
そういう時期が来たんだね
……でも、どうやって探せば良いんだ
ろう

大切な親の終の棲家、適当に選ぶわけにもいかないし……

そこで今回、現役で訪問診療に携わっている医師の目線から、老人ホームを選ぶ際のポイントについて、簡潔に・分かりやすく記載しました。

大切なご両親をお任せする場所です。後悔しない選択が出来るようお手伝いしますね。ちなみに、私の両親も70歳を超えました。まだまだ元気ですが、遠くない将来直面する問題です。全く他人事ではありません。『自分の親の老人ホームを探す』イメージで執筆しております。

絶対に確認して欲しい5つのポイントは以下の通りです。順番に解説します。

後悔しない!失敗しない!老人ホーム選びのポイント5選

  • 介護スタッフの配置人数(入居者さん何人に対して何人のスタッフがいるか)
  • 医療の体制 どこまで出来る?-
  • デイルームの雰囲気や食事の様子
  • お看取りまでしてくれるか? -最後までお付き合いしてくれる?-
  • 地理的な要因 -近ければ近いほど良い-

前提

老人ホームには種類がある

老人ホームといっても、実はたくさんの種類があります。今回は、多くの方にとって候補に挙がると思われる『介護付き有料老人ホーム』をイメージしております。ただし、その他の施設でも今回述べるポイントが重要であることに変わりはないので是非ご一読下さい。

私は訪問診療医です

私は現在、往診専門のクリニックの医師を務めています。約10か所程度の施設・合計300人弱程度の入居者様を診察しております。施設は『介護付き有料老人ホーム』がメインで、その他『サービス付き高齢者住宅』、『グループホーム』も担当しております。

介護スタッフの配置人数(入居者さん何人に対して何人のスタッフがいるか)

最も大事なポイントです、必ず確認してください。

人手不足という物理的な問題が原因で対応の質が悪化してしまうことがあります。具体的には以下のような場面が想定されます。

  • 体調不良なので頻回に様子を確認して欲しいのに、それが出来ない
  • ナースコールを押してもなかなか来てくれずストレスがたまる
  • 転倒で動けなくなったなど、突発的な異常事態の際に発見が遅れる
  • 褥瘡の発生頻度が上がる

医師の目線で一番悔しいのが褥瘡です。準寝たきり~寝たきり程度の介護度の方は特に注意が必要です。褥瘡を完全に防ぐことは不可能ですが、定期的な体位変換である程度防ぐことが出来るはずです。

いくつかの特定の施設だけ明らかに褥瘡の発生頻度が高いことを実感しています。その施設、やはり全体的にスタッフさんがバタバタと慌ただしい雰囲気なんです。コレ、人が悪いわけではありません。単純に人手不足が問題です。

また、以上のような医療的なことではありませんが、『人手が多くて業務に余裕があれば、優しく丁寧に接してくれる』というのは事実でしょう。介護士さんも人間ですしね。

※介護保険法により、介護付き有料老人ホームは『入居者さん3人に対し1人の介護職員または看護職員を配置する義務』があります。

医療の体制 -どこまで出来るか確認しましょう-

訪問診療医はいますか?

訪問診療医はいたほうが安心・ベターだと思います。

訪問診療医がいると安心できる理由

  • 日々の健康管理をお任せ出来る
  • 体調悪化時に初期対応してくれる(診察と簡単な検査、対症療法、抗生剤の処方など)
  • 体調悪化時の時間的な余裕の有無を電話で判断してくれる
    (例えば、心筋梗塞疑いであれば即救急車を呼ぶようアドバイスしてくれる)
  • 病院への搬送、入院が必要かどうか判断し手配してくれる
  • 最後の瞬間までお付き合いし、お看取りしてくれる

ただし、訪問診療には限界があることはご理解ください。

訪問診療には限界がある

  • 詳しい”検査”が出来ない
    (採血、心電図、エコーは出来ますが、レントゲンは撮れません)
  • 出来る”治療”も限られる。パワフルな治療は出来ません、病院に搬送させて頂くことも多々あります

夜間の体制は?

夜間に看護師さんが常駐しているかは大事なポイントです。医療知識を持った看護師さんがいる安心感はあります。ただしそういった施設は多くはなく、こだわると選択肢が減ってしまうでしょう。医療的なサポートがあまり必要ないなら、一旦目をつぶっても良いと思います。逆に、医学的に不安定であれば重要なポイントになります。

夜間も看護師さんが常駐しているメリット

  • 医学的な初期判断をしてくれる(翌朝まで経過観察して大丈夫、深夜でも往診医に電話相談は必要、往診を待つ余裕がないから即救急車を呼ぶ、などの判断)
  • 夜間も医学的な処置が可能(例えば『日中は痰の吸引が出来るのに、夜間は看護師がいないため出来ません』ということは珍しくありません)

医療行為はどこまで出来る?

訪問診療医としては、医療行為をどこまで出来るかが気になるところです。具体的には、以下の医療行為が出来るかどうかを確認してください。

  • 酸素投与
  • 痰の吸引
  • 点滴(肺炎時の抗生剤や食思不振時の水分補給)
  • (がん患者さんの場合)医療用麻薬の使用の可否

なお、どこまで医療行為を行うかは、『老衰のように静かに枯れるように状態が悪化する場合』、『元気に過ごしていたのに、突発的に肺炎・心不全などで具合が悪くなる場合』で考え方が異なります。

特に老衰に近い場合に酸素、痰の吸引、点滴、等をどこまで行うか決定することは人生の最終段階において大事なポイントになります。行わない方が本人にとって幸せであることもあり、ケースバイケースです。その時が来たら、主治医の先生とよく相談してください。

デイルームの雰囲気や食事の様子

デイルームの雰囲気は?

これは私個人の好みかもしれませんが、数百人レベルの入居者さんが大きな一つのホールで過ごしているような大規模な老人ホームは少し苦手です。なんだか雑に扱われているように見えてしまいます。

老人ホームで食事をする沢山の高齢者さんの画像

個人的には、最大でも20人前後の方が空間を共にするくらいの規模感がちょうど居心地が良いように思えます。結果、アットホームな雰囲気になりますし。

この『デイルームの雰囲気』は実際に体験しないと分かりません。是非見学の際に実感してください。

食事の様子は?

生活の中食事が一番の楽しみであることが多いです。ただ食べるだけでなく、コミュニケーションの場になります。これも実際の雰囲気を見学の際に確認してください。

また、介護が必要な方であれば、食事介助する介護士さんの様子も確認してください。『介護士さんが真ん中にいて、両サイドに介護が必要な入居者さんがいる。流れ作業のように淡々と口の中に食事を入れていく。』ような場面を時折見かけます。前述の通り職員さんの人数的に仕方がない側面があるのでしょうが、冷たく見えてしまい個人的には少し苦手です。仕方ないと割り切るか、そこを減点ポイントとするかはご検討ください。

お看取りまでしてくれるか -最後までお付き合いしてくれる?-

老人ホームに入所するくらい、体の元気度や認知機能が落ち始めている高齢者さんです。入所後もゆっくり体力は落ちていくでしょう。そしてやがて、最後の時間を迎えることになります。

最後までお付き合いし、お看取りまで行ってくれるのかは必ず確認してください。多くの施設では対応してくれると思いますが、まれに『お看取りは出来ません。状態が悪化してきたら転居して頂きます』という施設があります。

環境の変化は入居者さんにとって大きなデメリットです。一気に認知機能低下が進むことも珍しくありません。慣れたスタッフと離れるのもお互い寂しいでしょう。

人生の最終段階でまさかの転居を迫られることがないよう、入居前に必ず確認をお願いします。

地理的な要因 -近ければ近いほど良い-

単純な話ですが、ご家族が住む場所から近ければ近いほど良いです。というのも、『片道10分』と『片道1時間』では面会に行く負担が全く違います。

ご家族が面会に来ている時に診療でお邪魔することがあるのですが、入居者さんの表情が普段より明るいんですよね。

さとっこ先生
さとっこ先生

おおぉー、やっぱりご家族がいると表情が明るいですね!
私と居る時より楽しそうじゃないですか笑

ご家族にもご自身の生活があるでしょうし、頻回の面会が難しいこともありますよね。そんな時に、『施設へ行くのに時間がかかる』という単純な事が後々大きな負担になる可能性があります。具合が悪くなった際、そして最後を迎えるときなどは毎日通うことも珍しくありません。

なお、個人的な思いですが、少なくとも月数回程度・短い時間でも構いませんのでぜひ会いに来てあげてほしいです。「生活は大丈夫?あなたのことを気にかけているよ。大好きだよ。」ということを伝えて欲しいです。

まとめ

後悔しない!失敗しない!老人ホーム選びのポイント5選

  • 介護スタッフの配置人数(入居者さん何人に対して何人のスタッフがいるか)
  • 医療の体制 どこまで出来る?-
  • デイルームの雰囲気や食事の様子 -実際に見学して確認を-
  • お看取りまでしてくれるか? -最後までお付き合いしてくれる?-
  • 地理的な要因 -近ければ近いほど良い-

老人ホームを探す際に絶対に落として欲しくないポイント5選をお伝えしました。

うーん、結婚相手さがし、マイホーム作り、就職活動……これらと似ているかもしれませんね。というのも、恐らくすべてに満足する完璧な老人ホームというのはあり得ないでしょう。

いくつか妥協する点が出来ると思います。しかし、『それを知らないで入居してしまい、後で事実を知る』ことと、『理解したうえで入居する』ことは、結果が同じでも納得感・満足感が全く違います。

ここで挙げたこと以外にも確認すべきポイントは沢山あります。費用、レクリエーションの充実度、施設自体の清掃状況・清潔感、周辺の環境……。施設見学の際に納得いくまで気になる事をお尋ねし、入居するご本人の意思も大切にしながら、みんなが納得できる老人ホームを選んで下さいね!

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