【東北大に3回落ちた】医学部は入れればおけー。大学名にこだわるな！

始めに言っておく。私は東北大の医学部に3回落ちている（ドドんっ！！）。
2浪目は前期で東北大×、後期日程で某地方の医学部に合格した（ドドドんっ！！）

ふぅ……突然失礼しました。

東北地方の進学校あるあるだと思うのですが、東北大学への妙なこだわりがあったんですよ。歪んだプライド、かもしれません。振り返れば完全にしくじり先生です。少なくとも1浪目は合格できる可能性の高い大学はいくつもありました。

いやね。この前久しぶりに、浪人時代いきつけだったラーメン屋に行ったんですよ。20年以上経ってるけど（ウソだろ！？）何も変わらない景色。色々思い出してしまって。ちなみに、一緒にラーメンをすすっていた仲良し4人組は2人は医学部に、1人は東大に入りました。

で、取り残された私も1年遅れて医学部合格。大丈夫、みんな夢がかなうよ、と当時の青年達に声をかけたい気分です（センチメンタル……）

そんなこんなで、受験生時代の思い出エッセイです。

医学部志望の学生さんや、その親御さんにはちょっとだけ参考になるかもしれません。色々とツッコミを入れつつ楽しんで頂けましたら嬉しいです。

医学部ならどこでもOK！ 大学名にこだわるな！！

一番皆さんに伝えたいことは、コレ。

なぜ、さとっこ先生はこんなメッセージを送るのでしょうか？医学部受験の難しさ編、医師になってから気づいたこと編、に分けてお届けします。

医学部受験の難しさ

受験は時の運　-まさかの山形大学不合格-

1浪目。前期は東北大学に”挑戦”しました。それには理由があります。

旧センター試験はそれなりに良い成績だったからです。各予備校の調査でも、後期日程で受験した山形大学は合格の確率が高いという判定でした。

ただ、落とし穴がありました。受験科目が面接だけ。そしてその面接の配点がやけに高かったんです。
今調べたら、「旧センター試験 900点 + 面接 200点」、だったみたい。
（今は後期日程自体が無いんですね）

その面接が酷くて。私は”圧迫面接”と感じました。とにかく面接官が怖くて怖くて、しどろもどろな回答になってしまい、負のスパイラルに陥り……といった感じ。終わった瞬間不合格を確信しました。

なんか、こんな感じの捨て台詞を言われて鼻で笑われた記憶があります。

ちなみに、東北大、東京医大、そして入学することになる某地方大学の面接も経験していますが（いずれも明確な配点なし）、どこもフレンドリー。リラックスして受けることが出来ました、過度に緊張させないよう配慮してくれたのだと思います。東京医大の先生と話した雑談の内容なんて未だに覚えてます、なんなら楽しかった。

今思えば、山形大学はちゃんと得点を設定するくらいですから、それなりに厳しくして差を付けようとしていたのかもしれません。

2浪。ダメ、絶対。

1浪目は、勉強すればするだけ成績は上がるし、友達も多いし。※私の高校は”4年制の高校”と自虐するほど、”1年浪人して東北大学に進学する生徒”が大勢いました。

規則正しく生活し、脇道に逸れることもなし。親のサポートも十分で勉強だけに打ち込める環境。充実した浪人生活（なんじゃそら苦笑）を送ることが出来ていました。

しかし、前述の通り2浪目に突入……

1浪目に完全燃焼と言えるほど努力したので、成績はある程度上げ止まる感じ。むしろ、成績を落とさないように踏ん張っていました。

連絡できる友人も一切なし。というか、自分がみじめすぎて、携帯も封印して周囲との連絡を一切断ってしまう始末。

これ、まともな精神じゃ耐えられないですよ。両親や姉妹の支えもあって、なんとか乗り越えましたが、心身のバランスを崩してdrop outする可能性は十分にありました。私はたまたま上手くいった、だけです。

旧帝の医学部合格者はモノが違うで……

20年くらい前の話で恐縮なのですが、2年間浪人したので大学受験における感覚？のようなものは未だに覚えてます。

旧帝の工学部や理学部、早稲田、慶応(非 医学部)、あたりなら努力でなんとかなるんですよ。感覚的には。ただ、旧帝の医学部や東大レベルは、ちょっとモノが違うんですよね。あいつらには勝てない。

3浪しようが4浪しようが、私が合格するのは無理だったと思います。

“自称”進学校だったので、このあたりの大学に進学した友人は何人かいますが、センスが違います。これはきれいごとで片づけられない。“努力では乗り越えることが出来ない壁”は確かにあります。

そこの君！！

って思ってないかい？その感覚、正しいと思うぞ！都合よく奇跡なんか起きないから、身の丈にあった大学を選ぶんだ！！

特に数学のひらめき。1問完答出来るか出来ないかで、英語、物理、化学でこつこつ稼いだ貯金なんてあっという間に吐き出しちゃいます。旧帝医学部や東大レベルの上位なんて、ばけもんです。私は”ひらめく力”が最後まで不安定だった。受験本番の一回勝負に賭けるのはリスクが高すぎる選択でした。

医学生・医師になって気づいたこと

医師になったら、すんなり東北大学の医局で勤務出来る

医師になってさえしまえば、基本的には売り手市場なんですよ。どの医局も基本は人手不足、ウェルカム～って感じで迎えてくれるはずです。昨今、ハイポ思考な医学生・医師が増えていますから、なおさら大学の医局に入るは簡単です。

どうしてもその大学に関わりたいなら、医師になってから堂々と乗り込んで下さい。

医師になってからのキャリアに学歴は影響するか？

さて、医者になってからのキャリアに学歴が影響するのでしょうか？結論、誰も大学名なんて見てません。影響度は0%でしょう。1%すらない。

「〇〇大学出身だから良い病院で研修出来る・希望の病院に就職しやすい」ということは一切ありません。旧帝にこだわるメリットがないんですよ。

どの大学出身でも、みんな優秀やで

色々な大学出身の方と一緒にお仕事してきました。本当にみんな優秀で、尊敬できる人ばかりです。

「〇〇大学だから、良い教育を受けることが出来て医師としての能力が上がる」なんてことも一切ないです。与えられた環境で努力すれば、医師としての能力は身に付きます。

「大学入学 = その土地に住む」ということだけは注意

1点だけ注意なのは、「大学入学 = その土地に住む」ということでしょうか。いわゆる、”オフ”の部分の質には関わってくるとは思います。

こんなパリピ先生は、都市圏の大学一択なのでしょう。

でも皆さん、好きな大学を選べるほどの学力がありますか？試験当日の調子・数学で1問ひらめけるかどうかで合格/不合格が変わることなんて多々あります。勝負に出て、負けてしまった際のダメージについてもう一度よく考えてください。

お金かきあつめて私立行け！恥ずかしくなんてねぇ！

そう思っていた時代がありました。本当に歪んだ考えです。タイムスリップして、ビンタの一つもかましてあげたいくらい。私立出身の先生方も、ホント優秀な方ばかりですよ。繰り返しますが、医師になってさてしまえば出身大学によるキャリア上の損得、能力としての優劣、はありません。（与えられた環境で努力するだけ、です）

私、あとがなくなった2浪目は、相対的に学費が安い・過去問を見た感じ相性が良さそう、という理由で、東京医大を受験しました。結果合格し、本当に安心したことを覚えています。

振り返れば1浪目もどこかしら引っ掛かる私立医大はあったはずです。そこで手を打つのが現実的な受験・人生戦略だったと思います。2浪目で心身のバランスを崩してdrop outする可能性は十分にありました。それだけ辛い生活、ホント良く耐えたと思います。皆さん、こんなリスク取ってはいかんですよ。

まとめ

私の自分語りにお付き合い頂きありがとうございました笑
最後まで読んで頂き大変うれしく思います。

2年間も浪人し、しかも第一志望の東北大学に入学することが出来なかったさとっこ先生。
でも、そのおかげで現在の妻に出会えました。結果的には良かった、ってことなんですよね。人生分からないものです。

以前、実家でポロっとこんなことを喋ったら、母が泣いちゃって笑

たぶんこのエッセイを読んでいるのは、これから受験を迎える学生さんや親御さんだと思います。
もしかしたら、上手くいかないことがあるかもしれません。でも私のように「結果的には良かったね、ちゃんちゃん♪」となりますから、安心してくださいね。みんなの大学受験が上手くいくよう祈ってます。